電波時計の時刻を合わせる方法(原発事故に負けない)

電波時計の電池を交換したら時刻が合わない‥

地震のあと、しばらくして電波時計の電池が無くなり長針がグルグル廻りだした。そして電池を換えたら‥
なんでも日本の標準電波は西日本と東日本の2ヶ所から送信されており、東日本標準電波送信所は「福島県大鷹烏谷山」にあるらしい。
ちなみに「おおたかどや やま」と読み、独立行政法人情報通信総合研究機構日本標準時グループが運用とのこと。
そう、福島。
なんと調べてみたら、東日本大震災東北地方太平洋沖地震原子力発電所事故)。こんなところにまで原発事故の影響が‥と思わせる原因でした。
ここでは解決方法として、簡単な時刻の合わせ方や電波発信ソフトの使用法・自作アンテナの作り方(写真付き)を紹介したいと思います。

 現象
電波時計の電池を交換したら時刻が合わない。 最近、時間が狂っている。

電波時計は電波を受信できなくて時刻合わせに失敗してもそのまま動き続けます。時刻が狂っているイコール電波受信失敗。受信できない状態と考えて良いでしょう。

 原因
標準電波東日本エリア担当の福島送信所が福島原発事故で停波中。

福島第一原子力発電所の事故により、おおたかどや山標準電波送信所は、20km圏内避難指示を受け、3月12日(土)から、おおたかどや山標準電波 送信所からの標準電波(40kHz)の送信を停止しいるとのこと。 「http://jjy.nict.go.jp/jjy/index.html」※末尾「参考」参照。

日本には送信所が2つしかありません。福島県と、九州佐賀県佐賀市富士町・福岡県糸島市境界の羽金山(はがねやま)山頂の送信所。
ですので、今は、たとえ東京でも北海道でも九州からの電波を受信するしかありません。

 対策
なんとかして電波を受信させる

うちの時計(CITIZEN社製 型番4MN404 T2852G)の様に手動時刻合せが出来ない機種では、なんとか電波を受信させることを中心に、4つの方法を提案します。

 具体的な方法  (その1 基 本)
(1)電波が強い場所で
標準電波は波長が長いので建物影でも廻り込んできますが、もちろん九州の方向が空いている方が良いです。大きな窓の近くや半日くらいベランダに出しておけば電波が拾えるのではないでしょうか。

(2)受信回数を増やす
通常だと時計は日に数回しか電波受信を行いません。数分後に受信動作を行う強制受信ボタンがある機種では5分おきに1回程度押してみましょう。

(3)受信精度を上げる
標準電波は微弱ですので出来るだけ時計の電子回路がクリアな状態で受信させましょう。
新品電池に交換したり、強制受信ボタンやリセットボタンを電池を入れる前に押すのは効果があるとの説があります。
※この方法でマンションのベランダに出しておいたら受信できました(東京)
※1)→2)→3)→大雑把法→イヤホン法 の順にチャレンジしてみましょう。

 それでも時間が合わない時は  (その2 大雑把法)

電波時計は電波の受信に失敗しても、元の針の時刻で動き続けます。
この特徴を利用して、電池を抜いたときの時刻が8時16分ならば、8時16分に電池を入れましょう。とりあえず・だいたい時刻は合います。
それでも時刻が狂う様子でしたら、↓ 簡単イヤホン法↓で。

 それでも時間が合わない時は  (その3 イヤホン法)

フリーソフト電波時計用JJYシミュレータ」(パソコンの時刻を電波時計にセットするソフト。サイトではヘッドフォンや改造オーディオケーブルで電波を飛ばしていますが私は100円ショップのイヤホンをそのまま‥) http://www.starstonesoft.com/JJY_Simulator.htm
使ったのはPCとイヤホンだけ。それも加工も壊しもしません。聞こえない大きな音?をちょっと出すだけです。お手軽なので試してみてはいかがでしょうか。
【簡単です】
コード長1mの安物ステレオイヤホンを、直径5cmぐらいに丸く束ねて(私は指2本に巻きました)、
どこに受信ユニットがあるか分からないので、前ガラス面の針の中心に輪を立てて(←これ重要)貼っただけ。 ↓下の写真を参考にしてください。
3分位ですから、テープで貼らなくても手で持っていても大丈夫かも知れません。

【コツは、】
コツはこのソフトが1分間に1回だけ毎x分00秒に電波を発信するので、その少し前にソフトの「送信Onボタン」を押すこと、あとはその後5分程度は何もせずに待つことです。
わたしはx分40秒くらいに「送信Onボタン」を押して、電波発信の直前のx分55秒に電波時計の強制受信ボタンを押しました。
【 使用例 】
誰でも初めては不安なものです。参考に私の場合の経過を書いておきますね。
  5秒後‥何も無し(LED点灯)
  30秒後‥何も無し(LED点滅)
1分 5秒後‥何も無し(LED点滅)
2分 5秒後‥何も無し(LED点滅)
2分55秒後‥長針グルグル
約6分後に時刻が合い、通常の動作になりました。
どうやら、うちの時計の場合は
3回目の受信で成功したのか、3回受信する仕様なのか‥
とにかく強制受信ボタンを押すと3分間受信モードになる仕様みたいです。
【 感想 】
・13.333KHzの音がイヤホンから出ているはずですが、オジンの私には全く聞こえませんでした。(ショック)
・ソフトを停止させたらボリュームはすぐに小さくしておきましょう。
・2つの時計の時間をあわせることも出来まよね。いろいろな事に応用できそう。
・これってループアンテナですよね。40kHzの波長7.5kmですから直径が2.4cmの倍数だと良いのかな?正確には波長から輪の直径や巻き数等の理論値が計算で算出できたと思います。どなたか正しいアンテナ径と巻き数が分かりましたらお教え下さい。
(1)イヤホン全体図。安物1m位の長さ
(2)イヤホンを束ねて輪っかを作る。直径5cmに丸く束ねる


(3)時計に貼る。正面から見ると、立っているのが分かるかな
(4)斜めから見ると、こんな感じ

 お金があれば  (その4 ブースター法)

 「そんな窓の近くに掛け時計を置きたくない」とか「寝室の目覚まし時計はどうしたら」…という人も多いのでしょう。シチズンさんもその様な人向けに中継器を作っています。
 『シチズン電波時計用ブースター 9ZZ005-008』  検索はここ
 安価だと1万6千円程度で購入できます。ただ注意することは「あくまで中継器なので、この中継器まで電波が来ていないとダメ」という事です。
 ブースターを使うことで部屋の奥の方にある全ての電波時計のセットができますので快適ではあると思います。(ブースター中継器から10m位までの時計に有効との事です。ちょっと弱いのが心配ですね)

 またセイコーSEIKO社では独自仕様の電波を送信するタイムリンクという仕組みがあります。こちらは親機(タイムリンク送信機 ZA303N)から40m飛ぶとのことですが、独自仕様の電波ですからセイコーのタイムリンク対応の電波時計のみになります。

 参考
リズム時計工業
 http://www.rhythm.co.jp/faq/denpa_faq_1.php
JR7CWK'sぶろぐ
 http://lavo.jp/jr7cwk/lavo?p=log&lid=25185

 続報2
情報研究機構 日本標準時(JST)グループの送信状況20110514現在(http://jjy.nict.go.jp/index.html)から
『 おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は暫定的に送信を再開
本日、5月13日17時32分から暫定的に送信を再開しました。
なお、雷の発生等天候の状況により送信を一時停止することがあります。
あらかじめご了承下さい。
標準電波をご利用の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をお願い申し上げ ます。

はがね山標準電波送信所(60kHz)は通常どおりの運用を行っています。

 標準電波の現在の送信状況(http://jjy.nict.go.jp/i/index.htm)はWebでご確認をお願いいたします。過去のおおたかどや山標準電波送信所の運用情報はこちら(http://jjy.nict.go.jp/Pub/JJY40/index_.html)でご覧下さい。ご不明な点はこちら(http://jjy.nict.go.jp/contact.html)までお問い合わせ下さい。
通常のホームページはこちら(http://jjy.nict.go.jp/index2.html)からご覧下さい。』

 続報1
情報研究機構 日本標準時(JST)グループの送信状況20110426現在(http://jjy.nict.go.jp/index.html)から
『 おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は停波中です
 おおたかどや山標準電波送信所では、4月21日13時54分に暫定的に送信を再開しましたが、4月25日12時06分に発生した落雷による影響で送信できなくなりました。復旧の見通しは立っておりません。
 標準電波をご利用の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をお願い申し上げます。
 なお、はがね山標準電波送信所(60kHz)は通常通りの運用を行っています。
 標準電波の送信状況(http://jjy.nict.go.jp/i/index.htm)はWebでご確認をお願いいたします。ご不明な点はこちら(http://jjy.nict.go.jp/contact.html)までお問い合わせ下さい。
通常のホームページはこちら(http://jjy.nict.go.jp/index2.html)からご覧下さい。』

 震災直後のJSTグループから
情報研究機構 日本標準時(JST)グループの送信状況(http://jjy.nict.go.jp/index.html)から

電波時計をご利用の皆さまへ>
○福島送信所(40kHz)と九州送信所(60kHz)の両送信所受信対応の電波時計ご使用の皆さまへ
・受信可能地域の目安:九州送信所を中心に半径1000〜1500km程度
電波時計の置き場所と使用場所の選定:
 パソコン、エアコン、蛍光灯、テレビなど雑音(ノイズ)を発生するものからは遠ざけ建物の窓際などに置くようにしてください。方向は、できるだけ九州へむけてください。
○福島送信所(40kHz)のみ受信可能な電波時計ご使用の皆さまへ
・福島送信所停波中は、クォーツ(水晶)の精度で、動作いたします。
 時刻合わせは、取扱説明書等を参照願います。
<送信再開のための主な条件>
・20km避難指示の解除
・商用電力及び時刻比較制御のための通信手段の安定的な確保
・基準信号源及び時刻比較制御装置類の正常動作確認と定常的管理
・送信設備等の正常動作確認と定常運用
これらの条件が整い次第、施設を復旧させ送信を再開したいと考えておりますので、引き続きご利用者の皆様にはご不便をおかけしますが。ご理解のほどをお願い申し上げます。
<経過説明>
 福島第一原子力発電所周辺地域に避難指示があったことを受け、3月12日19時46分、おおたかどや山標準電波送信所からの送信を停止し同送信所の要員も地域外に退避しました。
はがね山標準電波送信所(60kHz)は通常通りの運用を行っています。
NICT本部(小金井市)で運用している日本標準時システムも正常に運用しており、計画停電の際にも自家発電機を使用して運用は継続されます。