リース物件の時効は難しい

 リース物件の時効は、どのような権利に基づいて請求されるかで、分けて考える必要があります。


【商法の返還請求権・遅延損害金請求権は短期消滅時効
 リース契約に基づくリース物件の返還請求権や、リース契約に基づく遅延損害金の請求権は、5年の商事消滅時効(商法522条)が経過しているので、時効の援用(「時効によって権利が消滅している」という意思表示)をすることで、請求権は消滅します。
 尚、今回の民法の大改正で短期消滅時効は無くなりますが、「権利行使できると知った時から5年」と改正されるので時効期間は5年で同じです。


民法の所有権は取得時効20年】
 所有権に基づく返還請求権は、消滅時効がありませんが、逆に取得時効によってリース物件の所有権を取得することができます。しかし、そのためには「自分の物だという意思を持って20年間占有」することが必要になります。