国分寺市の上野千鶴子講演案を委託した都が拒否

本日記は1月24日と同一内容です。http://d.hatena.ne.jp/mut3/20060124

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私は生まれも育ちも国分寺です。そして家族は国分寺市民です。

●状況把握
文部科学省の「人権教育推進のための調査研究事業」の一環で都→市へ委託
国分寺市と市民の準備会は「人権学習の講座」の概要を作成。都も了承。
・市と準備会は初回の基調講演に上野千鶴子教授を呼ぼうと都に相談したらダメと
・都教育委員会ジェンダーフリーという用語を使わない都の方針から、講座でこの用語が使われるのは適当でないと市に伝えた」(NHKニュース1/13)
・それを知った上野千鶴子教授が都と市に公開質問状を出した。(1/13)
上野千鶴子教授を援護する抗議署名が行われる。(1/23〜26)
 http://www.cablenet.ne.jp/~mming/against_GFB.html
 署名を渡す(1/27)署名の理由は「上野さんを孤立させないため」(若桑みどり教授)との事。
石原都知事の会見の詳細(1/27)
記者「ジャパンタイムスの○○○です。
 今日、国分寺市が都の委託して人権学習の講座で東大の上野千鶴子教授を講師に招こうとしたところ、教育庁がジェンダフリーに関する都の見解に合わないと、委託を拒否していた事が報道で分かりまして、それに対して本日、ジェンダーの研究者達が知事宛に、この上野千鶴子教授を講師として受け入れる事の拒否について、これが言論・思想・学問の自由の侵害だとする抗議する文書を知事宛に提出したのですが、これについてのお考えを…」
知事「ちょっと、そのいきさつが違うね。あなたの認識と。詳しくは教育庁に聞いてください。ちょっと違いますね。都はそこまでね、具体的にそういう規制を加えた覚えは無い。ただ、あの…ある認識を示して、警告というか。まぁあの…詳しくは、私が言うと誤解を生じるから教育庁に聞いてください。」
教育庁から東京都の人権意識を考える市民集会実行委員会(準備会か)への回答 (2/7)
 「東京都教育委員会は、国分寺市教育委員会が都の委託事業であることを考慮し実施しないこととしたものと理解しています。」→普通の考えに思える。
・東京都の人権意識を考える市民集会実行委員会から国分寺市への質問送付(2/5)
 http://www.cablenet.ne.jp/~mming/against_GFB.html#openletter_from_KokubunjiC3rd
・↑の国分寺市から上野千鶴子教授への回答(2/13付)
 (1)「東京都教育委員会の意向からモデル事業の再委託を受けることは困難と判断し,本事業を実施しないこととしました」
 (2)「市教育委員会は,不適切であるとの判断はしておりません」
だーから、市がそんなところで勝手(な根拠で無責任)に判断しないで、都に「不適切であるとの判断はしておりません」と提出して、都に判断してもらえば良かったのにね!
もっと重要な問題の時に「判断」は使って下さいね。それが真の仕事なんだから。「ダメだと思うから止めておこう」なんて、改善活動とコミュニケーションを台無しにする最悪な行動パターンですよ…
今回の問題で一番勉強出来たのは国分寺市の担当者ですね。今後の行動に期待します。

国分寺市から人権意識を考える市民集会実行委員会への回答(3/2付)
(1)事業計画案に逸脱があったか
 要綱に沿って作成した
(2)国分寺市が判断を持ち帰り、その後取り下げの事務連絡が来た
 市は都と協議しましたが、都の意向から再委託は困難と判断し、実施しない事とした
(3)東京都と国分寺市の協議内容。準備会に何の連絡もなく取り下げ
 計画書の内容の協議。準備会と議論が尽くせなかったのは遺憾
(4)民の知る権利、並びに人権
 市は今後も尊重していきます
●ちょっと考えてみた
『委託されたのだから、市は意見をいうべき』→言った(上野千鶴子教授案)
『委託したのだから、都も意見をいうべき』→言った(拒否)

『意見が違ったから調整する』→(他の講師へ)

普通ならばこれで終わりだが。違う方向へ…

市は「人権学習の講座」そのものを中止。えっ何で?
・基調講演を他の人に変えられなかったか
・そんなに上野教授が重要だったのか

『拒否された事実を知った上野教授も、都に理由を聞くべき』→(質問状を出した)
『都は権利を行使した代償として、質問に回答すべき』

●私はこう思う!
まず「人権学習の講座」を計画した市と市民に講座を中止した理由も聞いてみたい。上野千鶴子教授の講演が重要ならば市のお金で行う案はどうか(それもケンカ腰すぎるかな)

都も市も準備会も「上野千鶴子」という名前と「ジェンダー・フリー」という言葉に惑わされ杉ではないですか。
都や市の職員が「面倒だな〜」と感じはじめていたら、それこそ面倒な事だと思う…

私は国分寺市民として、上野千鶴子教授の講演も聴きたかったし、都の推奨する講演も聞きたかった。講座自体が無くなってしまうなんて、どうして?

私は委託事業全てを否定するつもりは有りません。委託で出来る事なら委託でやれば良いし、委託で出来ない事は市が独自で行えば良いと思います。最適なバランスがあると思います。ここに国と都の懸案である地方分権の縮図が都と市に見えるのは私だけでしょうか。

国分寺市の回答が遅いのが気になります。市担当者が「わ〜厄介な事に巻き込まれた」と徹夜で文書案を書いているかも知れません。でもね、これが行政サービスなんですよ。厄介だけどやり甲斐のある仕事だと思いませんか。がんばれ市の職員の方々!